自動音質調整機能の落とし穴
 
【お客のKさん】
今日田靡さん(店長)にお伺いしたいのは自動音質調整機能はなぜいい音にならないか?
という質問です。
 
【田靡店長】
私も仕事を効率良くしたいと思い、様々なメーカーの測定機材を使ったことがあります。
それは何十万円や何百万円もする機材です。
ところがそれで調整した場合、なんとも残念な音質になってしまうので、超ハイエンドでも
結局は耳で判断して調整することになります。
 
【お客のKさん】
先日取り付けて頂いた機材も自動で音質調整を行ってくれるマイクが付いていたので
「これこそ未来のカーオーディオの機能だ!」ってワクワクしつつ試したのですが、
店長に調整してもらった音の方が圧倒的に味わい深く、とても気持ちいい音なのです。
 
【田靡店長】
要因はいろいろあると思います。
1つ目は「車という特殊な環境が機材を混乱させている
可能性が高い」ですね。
 
【お客のKさん】
機材が混乱するなんて、すごく興味深いですね(笑)
実際には何が起こるのですか?
 
【田靡店長】
2つのスピーカーの間で音を聞くホームオーディオの場合でも、実はずれているんです。
ちゃんと調整されたホームオーディオと、ただ単に二つのスピーカーの間で聴いた場合とでは違うんです。
 
一方、カーオーディオはホームオーディオとは比較にならないほど劣悪な環境です。
運転席が右側か左側に寄っていますし、ドアスピーカーは足元で横向きについているので、スピーカーから同時に発生した音が耳に到達する時間がバラバラになったり、反射、間接音も非常に多いです。

各スピーカーから出る音のタイミングを調整したり、音圧レベルの調整、インストールの時点から関係する間接音の対策等々を施す事によって、2つのスピーカーの中心で
音を聞いているのと同じ様な環境に近づける事が出来るのがプロセッサーという機能であり、インストールテクニックです。

そこで、実験。
実際のスピーカーから運転席に座った場合の耳の位置からスピーカーの距離をメジャーで実測して
メモしておきます。

次に先程のオートタイムアライメントによって算出された距離を比較してみてください。
 
【お客のKさん】
あっ、全然違いますね。
しかも、計測する毎に距離が変化して定まらない。
更にミッドバスの位置については数十センチの誤差が出ています。
なぜこんな事が起こるのでしょうか?
 
【田靡店長】
例えば、非常に高いピー・ピーって音が何らかの機械から鳴っていて、その機械を探したら
聞こえた方向と反対のところにあった・・・という不思議な経験をした事はありませんか?
音の性質として「高い音は直進し、硬い素材で反射する性質」を持っています。
特にツイーターから発生する音がそうなのですが、車のガラスがこれを鏡のように
反射させてしまうのです。
調整機材に目はないので「パチッ」「パチッ」という音を出した時間とそれが
マイクに届いた
時間を見ているのですが、これがガラス等の硬い素材に反射して「パッッッツ」みたいに
反射音がいくつも戻ってきた時に、機材はどれが採用すべきタイミングの音なのかを
見誤ってしまう事になると思います。
 
【お客のKさん】 
なるほど、それがツイータの位置を見誤ってしまう原因なんですね。
こうして見るとよくわかりますね。
 
【田靡店長】
さらにミットバスから耳の距離に注目すると、こちらは数十センチの誤差が発生しています
これは低い音は広がりやすく指向性が低いですし、ドアの内張りなど純粋なスピーカーの音以外の音があちこちから発生してしまう事も原因の一つです。
なので発生した位置の特定が高音よりも難しいのです。
 
【お客のKさん】 
この結果から見て、自動調整機能のタイムアライメントがいかに怪しいかはよくわかりました。
 
【田靡店長】
続いて2つ目の問題。
それは機械的に見た「いい音ってなんだ」という問題。
例えば「どんな音」がいい音ってKさんは感じますか?
 
【お客のKさん】 
僕の場合は、広がりを感じる音や、艶やかな音や、心地良い余韻のある音が好きですね。
 
【田靡店長】
そうですね。
しかし機械に「心地良い余韻」とか「艶やかな音」といった感覚は一切ないので、
純粋に
「フラットな音」を「いい音」としている場合が多いです。
そこで、各帯域の音を発生させて、スピーカーから出た音を実測して、車のシートや内装に
吸収されて下がっている帯域はレベルを上げて、反射や拡散で上がっている帯域は音量を
下げてという作業をイコライザを使っておこないます。
 
【お客のKさん】 
なるほど、全部の帯域の音がフラットになるように計測してイコライザで調整をしてくれる訳ですね。
とても賢い機能ですね。
フラットは原音再生の基本だから、非常にいいように僕は思いますが・・・。
 
【田靡店長】
さて、ここが今回のテーマの一番のポイントです。
 
機材にもよりますが、「廉価な機材のイコライザは使えば使うほど音が劣化」します!
 
【お客のKさん】 
えーーっ、メーカーのサイトを見たら16バンドや32バンドのイコライザを売り込んでいるし、
そんなこと言われても・・・。
 
【田靡店長】
そこで、こんな実験を考えてみました(笑)

各帯域を完全にイコライザでプラス・マイナスできるとしたら、全てのイコライザの帯域
レベルを
最大にすると音量が上がるだけで、逆に下げると普通に音量が下がるというのが普通の理屈に
なりますね。
果たして本当にそうなるのでしょうか・・・。
 
それでは音量の変化よりも音質の変化を聞きながら実際にやってみてください。
 
【お客のKさん】 
あっ、全部の帯域を上げると音が歪んでいき、逆に全てを下げると音の鮮度が下がって
広がりのない平坦な音になってしまいました。
音の空間表現や余韻といった心地良さが調整すればするほど失われていくイメージですね。
 
【田靡店長】
フラットに近づけるという発想は良いのですが、イコライザの性能の良し悪しに加えて車の音環境は非常に複雑でイコライザの力だけで調整するのは無理があります
ましてやオートイコライザは、、、、
 
【お客のKさん】 
なるほど、こうやって実験してみると分かることっていろいろあるんですね。
 
【田靡店長】
そうですね(笑)
結局のところ機械はどこまで進化しても「必要な物と不要な物のファジーな選別」が
出来ないのではないかと感じています。
人間の感覚を0か1に分けてしまうと、本当は要るのに捨ててしまったり、要らない
のに残してしまっり・・・
そこに専門店ならではの知識や技術や技の価値があるとも言えるかもしれません。
 
【田靡店長からカーオーディオに興味をお持ちの皆様に】
長い対談を読んで頂きありがとうございます。
機材と取り付け状態により、目標となる最高音質は決まってきます。
当店では、その最高音質を目指し五感を研ぎ澄ませて調整入魂させて頂いています。
機械では作れないいい音を体験したい方は是非当店にお越しください。
  
 
 
 
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